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匠の技が活きる「国産ホウキモロコシ」──伝統の形を守るために

匠の技が活きる「国産ホウキモロコシ」──伝統の形を守るために

昔ながらの手仕事を今に伝える「ほうきづくり」。
その鍵を握るのが、素材として使われるホウキモロコシです。

当社ではインドネシアやベトナムといった海外産のホウキモロコシも使用していますが、国産のものと海外産では、その性質に大きな違いがあります。


国産のホウキモロコシは、しなやかで柔らかい

国産のホウキモロコシは、繊維がしなやかで細く柔らかいのが特徴です。
この性質により、熟練の職人が得意とする「ハマグリ型(蛤型)」と呼ばれる美しい曲線を描く箒を作ることができます。

このハマグリ型は、ただ見た目が美しいだけでなく、
・使いやすさ
・手になじむ持ち心地
・掃き心地の良さ
を兼ね備えた、まさに“機能美”とも呼べる形状です。


海外産は硬く太く、伝統の織には不向き

一方、海外産のホウキモロコシは、やや太くて硬め
日常的に使うには十分な品質ですが、繊細な手作業を求められるハマグリ型などの複雑な織や形状には適していないといわれています。

そのため、職人が培ってきた伝統的な技法を継承するためには、国産の素材が欠かせないのです。


国産素材の価値を、未来へとつなぐ

近年、国産ホウキモロコシの生産量は減少傾向にあり、希少な素材となっています。
だからこそ、一本一本、心を込めて丁寧に作られた日本の手仕事の価値を伝えていくことが大切です。

しなやかで美しい国産ホウキモロコシの魅力を、ぜひ日々の暮らしの中で感じてみてください。